中古車購入は値引き交渉術でお得になる?11個のコツを伝授

2022年は、自動車製造に必要な半導体部品不足や、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受けて、新車の納車時期が大幅に遅れるなどの要因もあり、一部車種によっては新車以上の高値が中古車につくといった【価格逆転現象】も起こっていました。中古車は在庫がある前提に販売されているため、点検や整備、ディーラーオプション等の後付けオプションの設定には時間がかかるものの、新車の納車時期に比べると早く手に入ることから、人気があります。特に、4月や9月といったライフスタイルの変化がある時期は、転居や転職によって車が必要になる人も多く、新車の納車を待つと間に合わない可能性もあるため、中古車の購入を検討する人は多いのです。

こちらでは、中古車の購入をするにあたり役立つ【中古車値引き交渉術】について解説します。

どんな車も強化買取

かしこい中古車の値引き交渉術11選

  1. 中古車値引きの注意点
  2. 値引き額の目安
  3. 丁寧で謙虚な態度
  4. その店で購入する意思を見せる
  5. 詳細な見積もりを出してもらう
  6. 各種手続きの代行手数料を削る
  7. 相見積もりをとり、他の中古車店も検討していることを伝える
  8. 保証を確認する
  9. こちらから価格を提示する
  10. 直接的な値引き以外のサービスを要求する
  11. 契約後は感謝の気持ちを伝える

1.中古車値引きの注意点

中古車購入で値引き交渉を始める前に、まずは注意点からご紹介します。

販売時のコンディションがどの車も同一になる新車と違い、中古車は同じ車種であっても、走行距離・メンテナンス頻度・事故の有無などによって車のコンディションは千差万別です。全く同じ状態の車を見つけることは難しいでしょう。新車を購入する時は、ボディタイプや同セグメントクラスの競合車種を用意することでメーカー間の競合が起こしやすいため、値引き交渉を進めることが比較的簡単にできましたが、中古車は全く同じ条件で比較できないため競合を用意するのが難しいです。店舗在庫で同等の車を見つけるよりも、中古車売買ネットサイトなどで検索し、できるだけ近い条件の中古車の価格を提示して比較することが最も近道となっています。

また、中古車は新車に比べて元々の価格が安いため、値下げ交渉をするにも新車よりも値引き額が低くなる可能性が高いことには注意しましょう。

値引きとは少し違いますが、通常、車は時間の経過と共に年式が古くなって価値が下がるのものです。しかし、何らかの要因で需給状況が変動すると中古車の市場価格が後から上昇することも稀に起こりますので、そこも注意しなくてはいけません。

例えば過去に、1995年に連載を開始した漫画「頭文字D」で、主人公が運転するトヨタのスプリンタートレノAE86型(通称ハチロク)が話題となり、当時すでに生産を終了していた車体でしたが、漫画の人気に伴って中古車市場価格が一気に高騰したという現象が起こりました。そして現在も一部ファンからカリスマ的な人気の車体となり、人気のネオクラシックカーとなっています。

2.値引き額の目安

値引き交渉をする時は、目標値引き額を決めておくと交渉が進めやすくなります。では、中古車値引き交渉では、いくら位の値引きを目標にするべきなのでしょうか。

新車価格が定価200~300万円の車の購入を考えていて、新車購入値引き交渉を頑張るのであれば、15万~20万は値下げ交渉が成功する可能性があります。しかし、80~100万クラスの中古車を購入しようとして、同程度の金額の値下げ交渉は難しく、その価格帯の中古車であれば数万円から最大でも10万円程度の値下げができれば成功と言えるでしょう。ただし、中古車であっても高額車輌の200万円以上する車などは、スタート価格が高い車体であるため、中古車値引き交渉でも10万円以上の値引きを狙える可能性があります。

中古車の値引き目安は、購入価格の3%~10%くらいとなりますので、値引き交渉の目標は購入価格の5%~10%で考えましょう。実は中古車販売については、他店との価格競争もあるため元々安く設定している業者も多く、絶対にそれだけ値引きができるとは限りません。まずはインターネット等で同等クラスの中古車の販売価格を見て相場を調べておくことをおすすめします。

3.丁寧で謙虚な態度

中古車販売店に限った話ではないですが、「客は店員より立場が上だ」と思っていて、何ら問題を起こしていない店員に対してすら横暴な態度を取る人も世の中にはいます。しかし、客と店員は金銭と物品(サービス)を交換する対等な立場です。

値引き交渉を行ううえでも、他にも客はいる中でわざわざ感じの悪い客に対して頑張って値引き交渉を行う気にはなりませんし、態度の悪い客に車を売ってしまった場合、購入後に何らかのクレームをつけられる可能性も高いため、そういう客にはあまり売りたくないと考えるでしょう。お互いに気持ちよく取引ができるよう、丁寧で謙虚な姿勢で話をしましょう。

4.その店で購入する意思を見せる

中古車販売店の人に購入する意思を見せることは重要です。ただの冷やかしの客に対して交渉をしても、店舗側としても時間の無駄になると判断されてしまいます。

購入の意思を見せるためにも、車を買う目的・用途などをよく考えて、少なくとも買いたい車のタイプぐらいはある程度決めておきましょう。また、中古車販売店は店舗によりますが試乗ができるところもあります。試乗をすることで店舗側に購入のモチベーションを見せるだけでなく、購入を考えている車のコンディションを購入前に確認することもできます。

コンディションを確認するついでに、その車に事故車歴(修復歴)があるのかどうかも確認しておくと良いでしょう。残念ながら新車と違って、事故歴(修復歴)があるにも関わらず、偽って販売している悪徳業者も存在しています。事故車・修復歴車の見分け方のポイントは、ボディのボンネットとフェンダーの隙間やヘッドライトとボンネットの隙間にズレはないかどうか、フロント側とリア側から見てフレームは左右対称になっているか、ボルト部分等に修理跡や塗装の剥がれはないか、です。こちらのポイントは目視で確認できる部分になりますので、確認しておくことをおすすめします。

5.詳細な見積もりを出してもらう

値引き交渉を行ううえで、販売価格の価格内訳で、どこにどのような費用がかかっているかを把握することは大切です。

車両本体価格だけで比較するともともと安い中古車であっても、購入後の整備やメンテナンスなどの諸費用など切捨てできない部分であとから上乗せされてしまい、最終的な総支払額が高くなってしまうことがあります。もともと安い場合は、まずは最終的な総支払額はどの程度かかるかを確認し、車両本体価格が安くなっているため値引きが難しそうな場合は、諸費用から値引きを狙うと良いでしょう。

6.各種手続きの代行手数料を削る

実は、値引きで一番簡単に交渉できる部分が、諸費用といわれる各種手続きの代行手数料です。

車を購入すると、「名義変更手続き」や「車庫証明の取得」の代行を依頼できるお店が多いのですが、その際見積もりでは数万円程度の代行手数料が基本的にかかります。これらは手間こそかかりますが、ご自身で時間さえかければほとんど費用をかけず行える手続きです。代行で行っているお店側も、他の手続き等と合わせて行っているため負担がそこまで大きいわけではありませんので、値引きをしてもらえる確率は高いでしょう。

7.他店との相見積を見せて検討を伝える

中古車は条件が個体毎に細かく異なるため、新車と違って適切な競合を提示するのは難しいでしょう。それでも、他の中古車店でできるだけ近い条件の車を探して、他店での購入も検討していることを伝えることは意味があります。複数店舗で目星をつけて相見積もりをとり、双方に価格交渉を持ちかけるとベストです。

8.購入後の保証を確認する

中古車はいくら安く買えても、購入後のトラブルなどで修理にお金がかかってしまっては意味がありません。新車と違って、中古車のコンディションは良い物もあれば悪い物もあります。

そこで重要になるのが販売店の保証です。購入後の保証サービスがどのようなものか、保証期間や保証対象となることはしっかりと確認しておきましょう。期間は長いものの、走行距離が何万キロまでと設定されている場合もあります。毎日通勤で使用するといった人の場合、走行距離により保証期間を早く終えてしまうこともあります。

もともとの価格が抑えられている中古車の場合値引きには限界がありますので、保証を手厚くしてもらうよう交渉するのも良いでしょう。

9.こちらから価格を提示する

価格交渉が後半に差し掛かってきたら、自分が希望している価格よりも更に数万円程度下げた金額を提示してみましょう。
提示した金額そのままを許容される可能性は低いですが、ある程度値引きに応じてもらえるでしょう。

提示した金額で即OKを貰えるのはそれはそれで嬉しいのですが、あまりにも簡単に値引きしてきた場合は、その車に何か問題がないか少し疑ってみるべきかもしれません。例として「修復歴を隠している」「水害にあったことを隠している」などです。市場価格とあまりにも差があるような場合は、何らかの問題があると想定し、確認しましょう。

10.直接的な値引き以外のサービスを要求する

価格交渉が終わったら、最後は値引き以外のサービスをお願いしましょう。例えば、前述のように「保証」を手厚くしたり、「ヘコミや傷の修理」などお店の板金設備で依頼できる範囲の修理や、「洗車用品やメンテナンス用品などのオプション品」「ガソリン満タンでの引き渡し」などです。

11.契約後は感謝の気持ちを伝える

値引き交渉がまとまって、契約が成立した場合は、販売店の担当者に感謝の気持ちを伝えましょう。両者が気持よく買い物をできれば、アフターサービスの向上や定期点検の対応にも繋がります。

まとめ

交渉材料は色々ありますが、重要なことは丁寧・謙虚な姿勢で望むことです。尊大な態度をとってしまえば、どのような交渉を行っても値引きに応じる気がなくなってしまいます。客は自分の他にもいて、店員の側にも客を選ぶ権利があるということを意識しておきましょう。それができれば、車が安くなっている理由をよく確認して、複数店舗で近い条件の車を探し、比較しながら交渉を行いましょう。