11月末から外気温も下がり始め、本格的な冬の到来を感じます。
特に今年の冬は、11月10日に気象庁による報道発表でもあった通りラニーニャ現象の発生もみられることから、過去のラニーニャ現象が発生した冬季を振り返ると、通常よりも寒さ厳しい冬の訪れが予想されています。冬は日照時間が短く、外気温が低くなって降雪することもあるため、道路環境には大きな影響を与えます。
冬季の運転に欠かせないアイテムというと、冬道に欠かせない冬用タイヤです。
こちらでは、冬用タイヤのスノータイヤやスタッドレスタイヤについて、また冬用タイヤへの付け替え方法についても詳しく解説します。
冬道に欠かせないスタッドレスタイヤとは
日本のなかでも特に日本海側気候となる地域では積雪が多く、豪雪地帯や特別豪雪地帯に指定されています。積雪の他にも、早朝に外気温が低くなることから霜が降り路面凍結が起こることも多く、このような冬道の運転には冬用のスノータイヤやスタッドレスタイヤなどのタイヤ対策が欠かせません。
普段の居住地域では特に路面状況を気にする必要はないという方も、冬季に遠出した外出先の道路環境に合わせて前もって準備が必要となることもあります。もしも外出先で冬道に対する対策を行っていない場合、現地で慌ててタイヤ交換をロードサービスに依頼することになり、長い時間足止めされてしまうこともあるでしょう。
冬用タイヤには、スタッドレスタイヤとスノータイヤがあります。まずは二つの冬用タイヤの違いから解説します。
スタッドレスタイヤとスノータイヤの違いは
もともと冬道を走行するための冬用タイヤといえば、タイヤに鋲のついたスパイクタイヤが主流となっていました。ところが、タイヤに鋲がついたスパイクタイヤは走行中の道路への影響が大きく、路面を削ってしまうため粉じんが発生し環境にも影響があるとされたことから、日本国内ではほとんど使用がされなくなりました。
このスパイクタイヤが使用されていた当時、鋲がついていない冬用タイヤとして同時期に販売されていたタイヤがスノータイヤです。
スノータイヤはスタッドが打ち込まれていないタイヤですが、ノーマルタイヤとは用いられているゴム組成物が異なる製造となっており、外気温が低く路面温度が低くなる冬季の低温環境であっても、ゴムのしなやかさを保ちトラクションがかかりやすくなっていました。
スパイクタイヤとスノータイヤのどちらを選ぶかは、その車が走行する冬の道路環境によってえらばれていました。
その後、スパイクタイヤが与える道路や環境への影響から法規制が行われ使用出来なくなると、スノータイヤの材質と鋲(スタッド)に代わるトレッド面を持つ設計の冬用タイヤが開発され、登場します。それがスタッドレスタイヤです。
スタッドレスタイヤの語源は、スタッド(鋲)がレス(ない)タイヤという意味から付けられていて、現在は様々なスタッドレスタイヤがタイヤ製造企業より販売されています。
スタッドレスタイヤに付け替えるタイミングはいつ?
降雪に備えて、路面凍結に備えてとスタッドレスタイヤに付け替えが必要とは思うものの、いざ付け替えるとなるとどのタイミングで行うべきなのかと思われるかもしれません。
冬になると積雪や降雪がある地域では、平年の初雪日をチェックしておくと良いでしょう。地方毎の初雪観測がされた日は気象庁で資料として公開されています。ただし、地域によっては路面凍結は起こるものの降雪自体は少ないという地域も多くなっています。このような地域では、路面凍結の要因になる初霜の観測日を確認することをおすすめします。初霜が降りると早朝の気温が下がっており、温度差から路面凍結しやすくなります。初霜や初雪日の平年観測日から、およそ1週間前までにはタイヤ交換を行っておくことをおすすめします。
スタッドレスタイヤの付け替え方法
スタッドレスタイヤに付け替える方法は、タイヤ専門店やカーメンテナンスショップ、ガソリンスタンド等で依頼する方法と、ドライバー自身で行うセルフ交換の方法があります。
スタッドレスタイヤへの交換を自分で行う時の注意点
タイヤの交換は、ドライバー自身で行うセルフ交換も可能です。
セルフのタイヤ交換に準備するものは、【車止め・軍手・ジャッキ・レンチ(タイヤに合わせたトルクレンチ)】です。タイヤをジャッキアップし、浮かせた状態で作業をすることになるため輪止めをして車が動かないように、必ず平たいところで作業をおこなう必要があります。
セルフ交換は費用を抑えることが出来ますが、車体だけでも1トンを超える重さがあり、その車体をジャッキアップし作業を行うというリスクや、タイヤごとにホイールナットにあわせてトルクレンチで締めるといった作業は仮止めと本締めをする必要があります。トルクレンチがなく本締めが出来ていない場合は、手で締めた状態のタイヤでの走行は出来るだけ避け、早めにタイヤ取付が出来る業者で本締めを依頼しましょう。走行中にナットが緩むなどあった場合大きな事故につながることもあるため、作業に不安があるといった場合は専門の業者へ依頼することをおすすめします。
スタッドレスタイヤへの交換を依頼する場合の費用や時間
大手カー用品店でスタッドレスタイヤの付け替えを依頼する場合、工賃や工程にかかる時間はどのくらいなのでしょうか。
全国展開をしているカー用品店でのピットサービスでは、タイヤ一本の付け替え工賃は約1,000円~となっており、一本あたりの工程時間目安は15分となっていました。
こちらから推測するスタッドレスタイヤへの交換は、タイヤ本数前後4本で4,000円~、時間の目安はおよそ1時間となります。ただし、持ち込みタイヤへの付け替えの場合と、購入したタイヤへの交換となるとまた費用は異なりますので、依頼をするのであれば前もって持ち込みか購入かによる費用の見積もりを聞いておく必要があります。
まとめ
こちらでは、スタッドレスタイヤについて詳しく解説しました。スパイクタイヤとスノータイヤから進化したスタッドレスタイヤは、氷上ブレーキの効果も高く安全性がさらに強化されています。スタッドレスタイヤは種類やメーカーによって価格も大きく差があるようです。
冬季直前はタイヤの付け替えを依頼する方も多いため、混みあうことが予想されます。もしも来週から長距離移動をする予定があるという方や、普段は走らない冬の道路を走行する予定があるという方は、予約が可能なカーメンテナンスショップもありますので、スケジュールに余裕をもって調整しておくと良いでしょう。